アジ科 スズキ目 マ行

マアジ ~特徴や生態について 

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皆さんはマアジという魚をご存知でしょうか?

いや、むしろ日本人であれば知っているどころか、ほとんどの人が食べた経験を持っているのではないでしょうか?

マアジは、日本では単に「アジ」と呼ばれることも多い重要な食用魚で、庶民の味として様々な料理にされて食されています。

今回は、そんなマアジについてご紹介いたします。

 

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マアジの基本情報

マアジ

学名 Trachurus japonicus
英名 Horse mackerel
分類 スズキ目アジ科マアジ属
分布・生息域 日本各地、東シナ海
大きさ 20~30cm程

 

分類

マアジ(Trachurus japonicus)はスズキ目アジ科マアジ属に属する海水魚です。

 

アジ科は世界中の熱帯・温帯海域に分布する遊泳力の高い、中型から大型の肉食魚のグループで、多くの種が食用魚として利用されています。

マアジの他にブリやカンパチ、シマアジなど水産資源として重要な地位を占める種が少なくありません。

 

その中でマアジ属は14種からなり、日本の食文化において欠かせないマアジの他、同属で地中海に分布するTrachurus mediterraneus種はトルコ料理に欠かせない食材となっています。

 

特徴

マアジ

マアジの体長は通常20~30cm程度ですが、最大で50cmに達した個体の記録があります。

 

体型は紡錘形で少し側扁しており、頭長が体高より長いのが特徴。

アジ科の魚に見られる稜鱗(ぜいご)は大きく、側線の全体に渡って見られます。

側線は体の中央付近から大きく下方へ湾曲し、背鰭の第8軟条の下から尾まで直走するのもマアジの特徴と言えるでしょう。

 

マアジの体色は銀白色ですが、背側が緑がかった黒みを帯びています。

 

同じマアジであっても沿岸に定着している「居つき型(瀬付き群)」と、外洋を回遊する「回遊型(回遊群)」の2つのタイプがあり、体型や体色に違いが見られます。

居つき型は全体的に黄色みが強く、体高が高いのが特徴。

一方、回遊型は体色が黒っぽく、前後に細長くなる傾向が知られています。

 

生態

マアジ

マアジは太平洋北西部の温帯海域に分布する魚で、日本列島から朝鮮半島、東シナ海にかけて知られています。

分布域が日本列島周辺に限られていることから、日本の固有種に近い存在と言えるでしょう。

特に日本海に個体数が多く見られ、海域ごとに独立した地方系群があると考えられています。

 

マアジは水深275mまでの海域に見られ、居つき型は浅い海の岩礁に、回遊型は沖合の中層から下層に生息するのが特徴です。

特に回遊型は季節に応じて長距離の回遊を行うため、生息海域も変化します。

 

マアジは肉食性で、動物プランクトンやオキアミ類のような甲殻類、ゴカイなどの多毛類、カタクチイワシのような小型の魚などを捕食します。

産卵時期は海域によって異なり、数十万個もの分離浮性卵を産みます。

孵化した稚魚は、流れ藻に付いたり、浅い内湾に進入して成長することが知られています。

 

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重要な食用魚

マアジは日本において非常に漁獲量の多い魚で、庶民の食生活に欠かせない大衆魚との呼び声も高く、最も重要な水産資源の一つと言えるでしょう。

季節に関係なく一年を通じて、定置網、巻き網、刺し網、釣りなど、様々な漁法で大量に漁獲されている他、一部では養殖も行われています。

その調理法も、刺身、塩焼き、揚げ物、南蛮漬け、干物など様々で、日本人の食卓には日常的に登場する、最も重要な食用魚と言っていいでしょう、

全国で漁獲されるために地方名も多く存在し、幼魚も「豆アジ」という名で漁獲され、流通しています。

 

大分県の特産品として知られる「関あじ」は、豊予海峡に生息している居つき型のマアジのうち、肥育がよく身の締まった個体を厳選し、鮮度が落ちないように取り扱いに注意したもので、高級食材としてブランド化に成功した事例です。

 

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マアジを観たい時は?

マアジは水族館でも飼育展示されることがあり、日本動物園水族館協会のデータベースによると2018年時点で、かごしま水族館、海遊館、東京都葛西臨海水族園、小樽水族館など、全国の32ヶ所の水族館で飼育されています。

 

食卓では頻繁に目にするマアジですが、実際にその生きて泳いでいる姿を目にしたことのある人は意外に少ないのではないでしょうか?

その意味では水族館で展示されているマアジは地味な色合いであっても、見ることをお勧めできる存在です。

 

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まとめ

日本人の食文化とは切っても切れない関係にあるマアジ。

日常的に口にしている魚ですが、その詳しい生態については意外と知らない人が多いのではないでしょうか?

日本人にはとても身近な魚であるだけに、その生態を詳しく知ることは決して無駄にならないはずです。

食材としてだけでなく、生きものとしてのマアジの魅力についても、一度見つめ直してみてはいかがでしょうか?

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