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オトヒメエビ ~特徴や生態について

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皆さんはオトヒメエビという生物をご存知でしょうか?

オトヒメエビはその名の通り美しく可憐なエビです。

しかもただ美しいばかりでなく、ある習性から、大型の肉食魚にも恐れることなく近づいてゆき、時には口の中にまで入り込む驚くべきエビなのです。

今回は、そんなオトヒメエビの特徴や生態についてご紹介いたします。

 

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オトヒメエビの基本情報

オトヒメエビ

学名 Stenopus hispidus
英名 Cleaner shrimp,Banded coral shrimp
分類 節足動物門軟甲綱十脚目オトヒメエビ科オトヒメエビ属
分布・生息域 房総半島以南 / インド洋、太平洋、大西洋西部
大きさ 4~6cm

 

分類

オトヒメエビ(Stenopus hispidus)は節足動物門軟甲綱十脚目オトヒメエビ科オトヒメエビ属に属する海洋生物です。

軟甲綱は甲殻類のおよそ3分の2を含む最大の分類群で、大型種はほぼ全てが含まれています。

その中でも十脚目はエビやカニ、ヤドカリなど、世間で一般的に甲殻類と認識されている生物が属しています。

 

オトヒメエビ科は、第3歩脚が大きく発達することを特徴とするグループで、その中のオトヒメエビ属からはオトヒメエビを初めとする11種が知られており、いずれも美しい色彩をしています。

 

特徴

オトヒメエビ

オトヒメエビの体長は4~6cm。

雌より雄の方がやや小さくなります。

体表面は細かな棘に覆われており、触角鞭がエビ類の中でも特に長く、特に第1触角鞭は体長を上回るほど。

そのため左右3対の合わせて6本の触角鞭を振りかざした姿は、実際の体長よりかなり大きく見えます。

 

またオトヒメエビ科に共通する特徴として、第3歩脚が太くて長く、第4・第5歩脚も細いものの、長くなります。

逆に第1・第2歩脚が短いのが特徴。合わせて5対の歩脚のうち、第1~3歩脚には先端に鋏があります。

 

オトヒメエビの体色は半透明の白色ですが、頭部や腹部、尾扇に濃い赤色の斑紋があり、第3歩脚も4対の紅白の帯に染め上げられています。

その美しい体色が、竜宮に住まう乙姫を思わせることから、和名の由来となりました。

 

生態

オトヒメエビ

オトヒメエビはインド洋から太平洋全域、更に大西洋西部にかけての熱帯・亜熱帯海域に非常に広く分布しているエビで、太平洋ではポリネシアやイースター島、西部大西洋ではカナダからブラジルまでで知られています。

国内では房総半島以南の太平洋側から琉球列島や小笠原諸島で見られます。

 

オトヒメエビは水深1~200mの、浅瀬から深海までで記録されていますが、通常は浅い海の岩礁やサンゴ礁で暮らしています。

岩の窪みや割れ目、サンゴの陰など、隠れられる場所がある環境を好み、雌雄でつがいをなします。

雌雄の結びつきは強く、人為的に雌を別個体に入れ替えると、雄がその雌を排除してしまうほどです。

 

餌は動物質ですが、ハタ類やウツボ類など、大型の肉食魚類の体表を這い回って外部寄生虫や食べかすを食べるという極めて特異な生態を持ちます。

これはお互いに利益のある相利共生で、通常は小型の生物を捕食してしまう大型の肉食魚類も、寄生虫を取り除いてくれるオトヒメエビを食べることはありません。

そのため、オトヒメエビは時として相手の口の中にまで入り込みます。

同じような共生関係を持つ例として、モエビ科のアカシマシラヒゲエビやシロボシアカモエビ、ベラ科のホンソメワケベラが知られており、寄生虫を取り除く掃除を行うことから、「クリーナー」と呼称されます。

 

オトヒメエビの繁殖期は、日本近海では夏で、雌が抱卵します。

孵化した幼生は、プランクトンとしてしばらくは浮遊生活を送ります。

 

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観賞用として人気!!

オトヒメエビは小型であることと、群れないことからまとまった漁獲も望めず、通常は食用に利用されることはありません。

 

ただし、その可憐で美しい外見から、鑑賞生物としての価値は非常に高く、アクアリストの間で飼育されることが多いエビです。

もっとも、自分より小さな魚は捕食してしまうことがあるため、混泳には注意が必要です。

 

オトヒメエビは水族館でも飼育されることがあり、その特徴的な相利共生の様子を示すため、大型のウツボ類やハタ類などと、一緒に展示されることがあります。

 

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オトヒメエビは通販で買える?

オトヒメエビは通信販売で購入することも可能です。

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まとめ

オトヒメエビは、節足動物門軟甲綱十脚目オトヒメエビ科オトヒメエビ属に属する海洋生物です。

大きな肉食魚の口の中にも恐れることなく入ってゆくオトヒメエビの姿は、見ていてハラハラさせられるほどですが、その美しい体色が目印となって、肉食魚の側でも、食べてはいけないクリーナーだと認識しているようです。

この共生関係は、自然界の驚異と言ってもよいでしょう。

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