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キイロサンゴハゼ ~特徴や生態について

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皆さんはキイロサンゴハゼという魚をご存知でしょうか?

キイロサンゴハゼはサンゴ礁に暮らすとても小さな可愛らしいハゼで、全身が鮮やかな黄色一色のとても美しいハゼでもあります。

今回は、そんなキイロサンゴハゼの特徴や生態についてご紹介いたします。

 

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キイロサンゴハゼの基本情報

キイロサンゴハゼ

学名 Gobiodon okinawae
英名 Yellow clown goby
分類 スズキ目ハゼ科コバンハゼ属
分布・生息域 紀伊半島以南 /西部太平洋
大きさ 3.5cm程

 

分類

キイロサンゴハゼ(Gobiodon okinawae)はスズキ目ハゼ科コバンハゼ属に属する海水魚です。

ハゼ科は世界の海域から汽水域、淡水域まであらゆる水域に生息し、主に底生の小型魚からなるグループで、1,300種以上が知られており、非常に繁栄している魚と言っていいでしょう。

その中でもコバンハゼ属はサンゴ礁に隠れ棲む非常に小型のハゼの仲間で、また鮮やかな体色や模様を持つ種類が多く、これまでに25種が知られています。

 

特徴

キイロサンゴハゼ

キイロサンゴハゼの体長は3.5cmに達します。

体型は太短い円筒形で、側扁していて、吻部が短く丸みを帯びているのが特徴。尾鰭の後縁も丸みを帯びており、体表面から有毒の粘液を分泌して、天敵から身を守っています。

 

キイロサンゴハゼの体色は鮮やかな黄色です。同属のGobiodon citrinus(和名なし)種によく似ていますが、頭部から体側面にかけての白い線状の模様がなく、一様に黄色一色であることから区別が可能です。

 

生態

キイロサンゴハゼは西部太平洋の熱帯・亜熱帯海域に分布しており、北は南日本から南はグレートバリアリーフからパラオ、マーシャル諸島、ミクロネシアにかけてで知られています。

国内では紀伊半島以南の太平洋側から見られますが、主に琉球列島に分布しています。

 

キイロサンゴハゼは水深2~15mの浅い海に生息しており、主に沿岸のサンゴ礁の、ミドリイシ属のサンゴの枝間にいることを好む魚です。

餌は主にプランクトンで、餌が近くを漂うまで待ち、飛びついて捕食すると、元の場所に戻る、待ち伏せ型の採食行動が観察されています。

キイロサンゴハゼは1つのサンゴに単独から数尾で見られ、最大15尾ほどの群れを作ります。

しかし、縄張り意識は強く、縄張りに侵入した同種を激しく追い払います。

 

キイロサンゴハゼは通常雌性先熟の性転換を行う魚ですが、双方向の性転換も可能で、雄ばかりで飼育すると、小さな個体が雌に性転換してしまいます。

繁殖期は春頃で、雌はサンゴの枝の間に、最大で1,000個ほどの卵を円盤状に産みつけます。

雄は受精後に、卵を孵化するまで守る習性を持ちます。

 

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飼育は難しい??

キイロサンゴハゼはとても小さなハゼで、漁獲の対象にはならず、食用魚として利用されることもありません。

 

しかし、その黄色一色の美しく可憐な姿から、観賞魚としてはアクアリストの間で高い人気を集めている魚です。

ただし、キイロサンゴハゼは体表面から有毒の粘液を分泌するため、他の魚と一緒に飼育した場合、同居している他の種類の魚を死なせてしまうことがあるので、混泳には注意が必要です。

 

キイロサンゴハゼは水族館でも、多くの施設で飼育展示が行われています。

 

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まとめ

キイロサンゴハゼは、スズキ目ハゼ科コバンハゼ属に属する海水魚です。

小さくてとても可愛らしく、そして目の覚めるような黄色一色のキイロサンゴハゼ。

ただし、あまりの小ささから、実際の海でその姿を見つけるのは容易ではありません。

もっとも、キイロサンゴハゼの学名であるGobiodon okinawaeの種名「okinawae」は、沖縄で発見されたことにちなんだもの。

そういう意味では、沖縄の海を代表する魚と言っていいかも知れません。

 

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