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チチブ ~特徴や生態について

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皆さんはチチブという魚をご存知でしょうか?

チチブは日本全国の川にたくさん生息しているハゼの仲間で、私たちにとって身近な魚なのですが、意外に名前が知られていません。

今回は、そんなチチブの特徴や生態についてご紹介いたします。

 

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チチブの基本情報

チチブ

学名 Tridentiger obscurus
英名 Dusky tripletooth goby
分類 スズキ目ハゼ科チチブ属
分布・生息域 青森以南、朝鮮半島とロシア沿海州
大きさ 9~12cm程

 

分類

チチブ(Tridentiger obscurus)はスズキ目ハゼ科チチブ属に属する海水・淡水魚です。

ハゼ科は世界の海域、汽水域、淡水域に2,000種以上が知られている底生魚のグループで、多様な環境に適応し、最も繁栄している魚の一つと言えるでしょう。

その中においてチチブ属は東アジア沿岸から9種が知られている小型のハゼの仲間で、生息水域においては個体数が多く、ごく普通に見られる魚です。

 

特徴

チチブ

チチブの体長は9~12cm程度です。

体型は太短くやや側扁した円筒形で、頭部が大きく丸みを帯びているのが特徴。

また腹鰭は吸盤状で、第一背鰭の棘条が糸状に長く伸びます。

 

チチブの体色は黒色や濃褐色、淡褐色など個体差がありますが、頭部の側面に小さな白い斑点が多く見られます。

また胸鰭の基部には淡黄色の三日月形があります。

第一背鰭の前縁には4個の小さな黒点があり、その部分を比較することで、近縁で外見もよく似たヌマチチブと見分けることが可能です。

 

生態

チチブ

チチブは日本の他、朝鮮半島とロシア沿海州にかけて分布している魚で、日本国内では本州、四国、九州の沿岸の他に、隠岐や壱岐、対馬、五島列島といった離島からも知られています。

 

チチブは浅い内湾や河川の下流域に主に生息していますが、淡水域にも現れることがあり、河川の中流域でも見られることがあります。

また、鹿児島県の池田湖など、陸封された個体群も存在します。

 

砂泥底の転石周りを好み、藻類の他、小さな魚やエビといった甲殻類を捕食する雑食性の魚です。

 

チチブは春から夏にかけて産卵することが知られていて、雄は石の下などに産卵室を作り、そこに雌を誘い込んで産卵させます。

産み落とされた卵を雄は稚魚が孵化するまで付きっきりで保護します。

 

チチブの寿命は河口域の個体の場合は、1年程度とされています。

 

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食べられる?観たい時は?

チチブ

チチブはハゼ釣りにおいて、ダボハゼと呼ばれて外道とされる一方で、食べられることもあります。

小型の魚で骨が硬いこともあり、食用魚としては一般に出回ることはほとんどありませんが、釣り人などの手によって、小さなものであれば唐揚げや佃煮、大きなものであれば蒲焼きなどに調理されて食されています。

 

また川の下流域ではごく普通に見られる魚であることから、採集された個体が個人の手で飼育されることもあります。

ただし、排他性が強く他の魚を追いかけ回すことから、単独飼育が望ましいようです。

 

チチブは水族館でも飼育展示されることがあり、日本動物園水族館協会のデータベースによると2019年時点で、宍道湖自然館ゴビウス、須磨海浜水族園、葛西臨海水族園、アクアマリンふくしまなど、全国の7ヶ所の水族館で飼育されています。

 

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最後に

水の汚れにも強く、都市部の河川にもたくさん生息しているチチブ。

しかし、そんな身近な存在でありながら、チチブという名はあまり知られていないように感じます。

皆さんももし、河川下流部の近くにお住まいであれば、一度チチブがいないか探しに行ってみてはいかがでしょうか?

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