水族館やインテリアとして最近人気のクラゲは、疲れがちな現代人に癒しを与えてくれます。
今回は、そんなクラゲの中でも、姿と飼いやすさから人気なタコクラゲの値段や飼い方、特徴や生態についてご紹介します。
タコクラゲの基本情報
学名 | Mastigias papua |
英名 | Papuan jellyfish |
分類 | クラゲ目タコクラゲ科タコクラゲ属 |
分布・生息域 | 新潟県以南、西太平洋の熱帯海域 |
大きさ | 10~20cm程 |
温かい海に分布し、夏から秋にかけては関東地方の穏やかな海でも見られることがあります。
毒は非常に弱いため、人が刺されてもほとんどわかりません。
形や動きが可愛く、見ていて面白いことから、最近ではアクアリウムでも飼育されるようになってきました。
特徴
タコのように8本の立派な腕を持った、水玉模様のクラゲです。
黄色から茶色っぽい色をしていて、大きさは成熟した個体では、だいたい10から20cmくらいです。
タコクラゲは何を食べるの?
サンゴのように、体の中に褐虫藻という藻類が住んでいるため、光合成によって栄養が得られます。
タコクラゲの体が黄色っぽい見た目をしているのは、この藻類のためです。
環境が悪くなると、藻類がクラゲの外へ出て行ってしまうため、体が白くなっていきます。
これもサンゴと似ていますね。
白くなったクラゲは、やがて死んでしまいます。
また、タコクラゲは藻類から栄養をもらっていますが、餌として動物プランクトン(コペポーダと呼ばれる小さな甲殻類など)を捕まえて食べてもいます。
タコクラゲの一生
よく知られている傘状の形をしたクラゲは、実はクラゲの一生のうちの一部でしかありません。
クラゲにはたいてい、水の中をふわふわと漂うメデューサと呼ばれる時期と、イソギンチャクのように壁にくっついて生きるポリプと呼ばれる時期があります。
タコクラゲも同様で、大きさが数ミリくらいのポリプの時期が存在します。
こうしたポリプの一部が水中に離れ、成長すると、よく見るクラゲの形(メデューサ)になります。
メデューサとポリプ、どちらかが子供で、どちらかが大人というわけではありません。
両方とも子孫を残すことができるので、言ってみれば大人です。
ただし、メデューサには雌雄があり、魚のように卵を産んで有性生殖をします。
ポリプには性別がなく、分裂することでどんどん増えていきます。
クラゲというのは、とても面白いことに、二つの増え方を持っている生き物なのです。
タコクラゲの値段と飼い方
メデューサの時期のタコクラゲは、専門のショップやネット販売で、1000円以下で手に入れることができます。
ポリプも販売されていますが、メデューサよりも飼育が難しいので、初めてではお勧めしません。
クラゲの飼育は熱帯魚と比べると、簡単ではありません。
タコクラゲはクラゲの中では飼いやすい種類ですが、それでも丁寧な飼育をしてあげないと、すぐに死んでしまいます。
けれども最近ではクラゲ用飼育用の機材も整ってきているので、以前よりもずっと飼いやすい環境になりました。
まず、クラゲ専用の水槽を用意する必要があります。
強い水流はタコクラゲを傷つけてしまいますが、まったく水流がないとタコクラゲはうまく泳ぐことができません。
そのため、専用の水槽として売られているものを買うのが簡単です。
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また、温かい海に生息する種類のため、23から25℃くらいの温度に保ってあげる必要があります。
これは普通の熱帯魚用のヒーターを使えば大丈夫です。
さらに、タコクラゲは光合成と餌の両方から栄養を得ているので、強い光と餌の両方を準備してあげる必要があります。
片方だけだと死んでしまいます。
水草水槽用のライトを使用し、なるべく明るくしてあげましょう。
餌はブラインシュリンプや、クラゲ専用のものをあげます。
クラゲの傘の中央に口が有るので、シリンジやスポイトを近づけて、なるべく少しずつあげるようにします。
あげすぎると水が汚れてしまいます。
クラゲは魚よりも水の変化に繊細な生き物なので、水質の変化には十分に注意してあげましょう。
また、メデューサの時期のタコクラゲの寿命は、1年もありません。
大事に飼育しても、意外とすぐにお別れしないとなりません。
最後に
ここまで見ていただいて、丁寧に心を込めてタコクラゲの飼育をしてみたいと思われた方は、ぜひ飼育にも挑戦してみてください。
とても無理だと思われた方は、ぜひ水族館に足を運んでみてください。
クラゲを飼育している水族館なら、たいていタコクラゲも展示されています。
最近は水族館で夜間のイベントがあったりもするので、普段とはちがう幻想的な空間に身を置き、日常を忘れてリフレッシュしてみてはいかがでしょう。