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アオバラヨシノボリ ~特徴や生態、絶滅の恐れについて

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皆さんはアオバラヨシノボリという魚をご存知でしょうか?

ヨシノボリと言えば、日本の淡水域でごく一般的に見られるハゼの仲間です。

その中でもアオバラヨシノボリは沖縄島北部のごく限られた地域にのみ生息する、とても希少な魚です。

今回は、そんなアオバラヨシノボリの特徴や生態、絶滅の恐れについてご紹介いたします。

 

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アオバラヨシノボリの基本情報

アオバラヨシノボリ

学名 Rhinogobius sp.BB.
分類 スズキ目ハゼ科ヨシノボリ属
分布・生息域 沖縄島北部
大きさ 6cm程

 

分類

アオバラヨシノボリ(Rhinogobius sp.)はスズキ目ハゼ科ヨシノボリ属に属する淡水魚です。

ハゼ科は世界の海域から汽水域、淡水域までで知られている主に底生魚のグループで、これまでに2,000種以上が知られています。

 

その中でもヨシノボリ属は東アジアから東南アジアにかけての河川や湖沼に生息している仲間で、未だに分類途上であり、どれほどの種が存在しているのか詳細が不明なグループでもあります。

 

特徴

アオバラヨシノボリ

アオバラヨシノボリの体長は6cm程度。

体型は細長くて側扁していますが、頭部は逆に縦扁しているのが特徴。

胸鰭は吸盤状となっています。

 

アオバラヨシノボリの体色は暗褐色で、ヨシノボリ属の他種と比較すると、

・頬に斑紋がほとんど見られないこと、尾鰭の中央に点列模様がほとんど存在しない

ことが特徴です。

 

また婚姻色の出た抱卵中の雌は腹部が青色を帯びるようになり、これが和名の由来ともなっています。

 

生態

アオバラヨシノボリは、沖縄島の北部にのみ分布する、とても生息範囲の狭い淡水魚です。

勾配の緩やかな水量の多い河川の中流域から上流域に生息していて、淵になった場所を好みます。

場所によっては同じ河川にクロヨシノボリ、シマヨシノボリ、アヤヨシノボリが生息しますが、流れの緩やかな淵に暮らすことで住み分けていると考えられています。

 

アオバラヨシノボリの餌は水生昆虫や、岩に付着した藻類です。採餌のために淵の中層を泳ぐ姿も見られます。

アオバラヨシノボリは一生を河川内で過ごす河川陸封型の生活史を送ります。

そのため、太平洋側と東シナ海側の河川では遺伝的な分化が生じていること判明しています。

 

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絶滅の危惧

アオバラヨシノボリ

アオバラヨシノボリは通常、漁獲の対象とはなっておらず、食用魚として利用されることもありません。

 

しかし、アオバラヨシノボリが生息する河川はいずれも小規模であり、ダムの建設によって生息環境が容易に破壊されてしまいます。

ダムが生まれた影響により、近縁で生態が似通っているクロヨシノボリが上流域へ遡上して競合が生じている他、グッピーなどの外来種が侵入して稚魚を捕食してしまう被害が指摘されており、実際ダムが建設された河川ではアオバラヨシノボリの個体数が激減しています。

 

また知名度の低さから、アオバラヨシノボリの存在自体を知らない地元住民が多く、保護活動が盛り上がらないことも、この魚の将来に暗い影を投げかけています。

環境省のレッドリストではアオバラヨシノボリは絶滅危惧ⅠA類に指定されており、最も絶滅が危ぶまれている魚と言えるでしょう。

 

アオバラヨシノボリは水族館でも飼育展示が行われることがあり、日本動物園水族館協会のデータベースによると2019年時点で、沖縄美ら海水族館と琵琶湖博物館の2ヶ所で飼育されています。

 

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まとめ

アオバラヨシノボリは、沖縄島北部のやんばると呼ばれる原生林を流れる川にしか生息していないとても希少な淡水魚です。

固有種という点では同じやんばるの森に生息しているヤンバルクイナやヤンバルテナガコガネにも負けない貴重な種類なのですが、知名度の低さが保護の足枷になってしまっています。

まずは私たちがアオバラヨシノボリという魚の存在を知ることが大切と言えるでしょう。

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