カサゴ目 ハオコゼ科 ハ行

ハオコゼ ~毒棘には注意!特徴や生態について

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皆さんはハオコゼという魚をご存知でしょうか?

ハオコゼは日本の沿岸に生息している普通種で、磯釣りで外道として釣れたり、潮だまりで見つけることもできる小さくて可愛らしい姿をした魚です。

しかし、実はちょっと危険な武器を隠し持つ要注意生物。

今回は、そんな個性的なハオコゼの毒性、特徴や生態についてご紹介いたします。

 

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ハオコゼの基本情報

ハオコゼ

学名 Paracentropogon rubripinnis
英名 Redfin velvetfish
分類 カサゴ目ハオコゼ科ハオコゼ属
分布・生息域 青森~鹿児島 / 太平洋北西部
大きさ 7~10cm程

 

分類

ハオコゼ(Paracentropogon rubripinnis)はカサゴ目ハオコゼ科ハオコゼ属に属する海水魚です。

カサゴ目は世界中の水域に分布する、底生魚を中心としたグループで、カサゴやメバル、ホッケ、ダンゴウオなど、これまでに沿岸部から水深7,000m以上の深海、淡水域に至るまであらゆる環境から1,400種以上が知られています。

 

その中でもハオコゼ科はインド洋から西部太平洋にかけての主に熱帯・亜熱帯海域に分布する、フサカサゴ科に近縁のグループで、比較的小型の種類が多いのが特徴。ハオコゼ属からはハオコゼを含む4種が知られています。

 

特徴

ハオコゼ

ハオコゼの体長は7~10cm程度です。

寸詰まり体型で体高が大きく、体全体に占める頭部の割合が大きいのが特徴。

口吻は短くずんぐりとしていて。頭蓋骨上から始まる背鰭は14~15の棘条が連なっていて、まるで鶏冠のように見えます。

この背鰭や胸鰭の棘には強い毒腺があり、刺されると強く痛みます。

 

ハオコゼの体色は白色や淡い灰色、青みや赤みを帯びた灰色など個体によって差異が大きく多様で、体側面に赤褐色や黒褐色の濃い色の班が散らばっています。

また各鰭は赤みが強く、小さな暗色斑点が散らばっているのが見られます。

これらハオコゼの複雑な体色と模様は、生息している海底において天敵に見つかりにくくなる保護色の役割を果たしていると考えられるでしょう。

 

また和名は、赤みの強い模様が、紅葉の葉を彷彿とさせることに由来したものです。

 

生態

ハオコゼは太平洋北西部の温帯海域に分布している魚で、日本近海から朝鮮半島沿岸にかけて知られている他、台湾からも記録があるようです。

国内では北海道と琉球列島、小笠原諸島を除く各地の沿岸で見られ、特に関東以西の西日本沿岸に多い魚です。

 

ハオコゼは沿岸の浅い海に生息しており、岩礁や、砂泥底であってもアマモ場のような海藻が多く生えている場所に見られます。

これは隠れられる障害物の多い環境を好む習性によるものでしょう。

また、潮間帯の潮だまりに取り残されていることも珍しくありません。

 

夜行性で昼間は隠れていることが多く、夜になると小型の魚類や、エビやカニなどの甲殻類を捕食する肉食魚です。

 

繁殖期は夏で、6月から8月にかけて、ペアを形成した雄雌が並んで中層へと泳ぎ上がり、産卵と放精を行う姿が見られます。

孵化した稚魚は、1年ほどで成熟することが知られています。

 

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実は美味しい?毒棘には注意

並んで泳ぐハオコゼ

ハオコゼは日本の沿岸ではよく見られる普通種ですが、小さくて可食部が少ない上に、危険な毒のある棘を持つことから、通常は食用魚として扱われることはありません。

防波堤や磯での釣りにおいて、外道として釣り上げられることも多い魚ですが、毒を持つ棘が嫌われており、実際に痛い目に遭わされた経験を持つ釣り人もたくさんいます。

そのため、たいていは捨てられてしまうようです。

 

しかし、ハオコゼは味自体が悪い訳ではなく、良質の白身を持つ魚です。

調理する場合は、刺されないように注意しながら毒のある背鰭や胸鰭を取り除き、唐揚げや煮つけ、味噌汁などにして食べられます。

 

ハオコゼが持つ毒は、刺されると患部が赤く腫れ激しい痛みやしびれを伴う危険なものです。

釣り上げた時以外にも、磯遊びや海水浴で遭遇する可能性があり、注意しなければなりません。

 

ただし、扱いに注意さえすれば、赤っぽい色をして小さく可愛らしい姿のハオコゼは、観賞魚として飼育の対象となります。

ハオコゼは日本の沿岸であれば簡単に採集できる普通種であること、環境の変化に強く丈夫ですぐに餌付くこと、そして小型種であるために大きな水槽を必要としないことから、初心者にも飼いやすい海水魚と言えるでしょう。

 

また、ハオコゼは水族館で飼育展示されることも珍しくなく、日本動物園水族館協会のデータベースによると2019年時点で、名古屋港水族館、下田海中水族館、新江ノ島水族館、マリンピア日本海など、全国の多数の水族館で飼育展示されています。

 

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まとめ

世界でも日本列島の周辺の海にだけ分布していて、かつ日本の沿岸ではとても身近な魚であるハオコゼ。

小さくてとても可愛らしい姿をしていながら、危険な毒を持つちょっと怖い生物で、とても個性的な魚と言えるのではないでしょうか?

そのわりには、食卓に登場する機会がほとんどないためか、意外と知名度が低いような気がします。

その分布範囲や、沿岸での出現頻度、可愛さと危険さを併せ持った個性を考えると、日本代表に選ばれてもいいような気がするのですが……

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