皆さんはバイカルチョウザメという魚をご存知でしょうか?
バイカルチョウザメは高級食材キャビアが採れることで有名にチョウザメの仲間で、世界最大の貯水量を持つバイカル湖に生息しています。
今回は、そんなバイカルチョウザメの大きさや特徴、生態についてご紹介いたします。
バイカルチョウザメの基本情報
学名 | Acipenser baerii baicalensis |
分類 | チョウザメ目チョウザメ科チョウザメ属 |
分布・生息域 | バイカル湖 |
大きさ | 最大200cm |
分類
バイカルチョウザメ(Acipenser baerii baicalensis)はチョウザメ目チョウザメ科チョウザメ属に属する淡水魚で、シベリアチョウザメ(Acipenser baerii)の亜種です。
チョウザメ目はユーラシア大陸と北アメリカ大陸に分布し、淡水性あるいは遡河性の大型の魚のグループです。
軟骨魚類であるサメとは分類上遠く離れていますが、硬骨魚類の中でも古い系統にあり、骨格の大半が軟骨で構成されています。
チョウザメ目には27種の現生種がいますが、25種がチョウザメ科に属し、17種をチョウザメ属が占めています。
特徴
バイカルチョウザメの体長は最大200cmに達します。
体型は細長く、突き出た吻部が特徴。
体側面には、チョウザメ(蝶鮫)という和名の由来ともなった、蝶を思わせるような大きく硬い鱗が並んでいます。
バイカルチョウザメの体色は灰褐色で、個体による濃淡の差は多少あるものの、全身がほぼ一色です。
生態
バイカルチョウザメは、ロシアのバイカル湖に分布する固有亜種です。
同種のシベリアチョウザメはシベリア地方の主要な河川に分布していますが、両亜種間の差異については未だ研究途上で、今後分類の見直しが行われる可能性があります。
バイカルチョウザメは主にバイカル湖の北端に生息していますが、湖に繋がるセレンガ川に産卵のために遡上することが知られています。
様々な底生生物が餌となっており、ヨコエビ類やユスリカの幼虫などが、その多くを占めています。
個体数が減少
バイカルチョウザメを含めた、チョウザメ類全般の卵は、高級食材のキャビアとして広く知られています。
そのため、バイカルチョウザメもキャビアを目的とした漁獲の対象となり、密漁も横行しています。
またバイカル湖や流入河川の沿岸部の開発による生息環境の破壊、湖水汚染も深刻で、バイカルチョウザメは個体数を減らしています。
そのため、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストにおいて、バイカルチョウザメは絶滅危惧種に指定されました。
バイカルチョウザメは通販で買える?
バイカルチョウザメは通信販売で購入することも可能です。
在庫状況は変動しますので、下記のバナーからそれぞれの検索結果をチェックしてみてください。
観たい時は?
バイカルチョウザメは、日本動物園水族館協会のデータベースによると2019年時点で、日本国内の水族館では飼育されていません。
ただし、同種別亜種のシベリアチョウザメは、しまね海洋館アクアス、琵琶湖博物館、さいたま水族館、小樽水族館など、全国の6ヶ所の水族館で飼育されています。
最後に
古い時代に形成された古代湖で、独自の進化を遂げた固有種が数多く生息することから、ガラパゴス諸島と並ぶ生物進化の博物館と呼ばれるバイカル湖。
バイカルチョウザメも、そんなバイカル湖で進化した魚です。
このように局所的に分布する固有種は、個体数も少ないことから人間の活動で容易に絶滅する恐れがあり、私たちが意識して守っていかなければなりません。