今回は、ミスジリュウキュウスズメダイの生態や特徴についてご紹介させていただきます。
目次
ミスジリュウキュウスズメダイの基本情報
学名 | Dascyllus aruanus |
英名 | Whitetail dascyllus |
分類 | スズキ目ベラ亜目スズメダイ科ミスジリュウキュウスズメダイ属 |
分布・生息域 | 紀伊半島以南、中部・西部太平洋、インド洋、紅海 |
大きさ | 6cm~8cmほど |
スズキ目ベラ亜目スズメダイ科の海水魚です。
小柄で白と黒のストライプ模様のコントラストがハッキリとした色柄がとても可愛らしく、身体も丈夫で飼育がし易い事から昔から観賞魚として飼育され、水族館での展示飼育や家庭でも人気のお魚です。
ミスジリュウキュウスズメダイが生息する海域
中部・西部太平洋(ハワイ諸島沿岸を除く)~インド洋・紅海(アフリカ東北部とアラビア半島の間に位置する湾)等の熱帯・亜熱帯海域に広く分布しています。
日本では紀伊半島より南・特に琉球列島・尖閣諸島・小笠原諸島等温かい海に生息しています。
ミスジリュウキュウスズメダイの生態
水深15mまでのラグーン(砂やサンゴ礁等で塞がれた池のような浅い水深の場所)の、ミドリイシ等の枝サンゴの周りを群れを作り暮らしています。
危険が迫ったり夜間に眠る時は、枝サンゴの間に素早く身を隠します。
雑食性で動物性プランクトン・魚の卵・藻類などを食べています。
初夏になると一匹のオスに対し複数のメスが集まりハーレムを形成し繁殖します。
産卵した卵を親が孵化するまで守ります。
ミスジリュウキュウスズメダイの身体的特徴
成魚の体長は約6cm~8cmで体型は卵型で平べったく体高が高いです。
背ビレ12本の棘・11本~13本の軟条(ヒレに有る柔らかな筋)を持ち、臀ビレ2本の棘・11本~13本の軟条を有しています。
頭部と鼻の孔周り以外は櫛鱗(しつりん・櫛のように縁がギザギザになっている鱗)で覆われています。
体色は白や淡いグレーで、頭頂部から目を経由し口の下まで、背ビレの中央から腹ビレまで、背ビレ後方から臀ビレ後方までの3本の黒く太いストライプがくっきりと体の側面を走っています。
この模様は成魚になってもぼやける事が有りません。
あまり幼魚と成魚の模様の違いは見られないですが、幼魚の腹ビレ・臀ビレには細いネオンブルーの縁取りが見られます。
ヨスジリュウキュウスズメダイとの見分け方
ミスジリュウキュウスズメダイにそっくりな、ヨスジリュウキュウスズメダイという魚が居ます。
この2種の見分け方は尾びれを見れば一目瞭然で、ミスジの方は尾の根元と尾ビレが白く黒い模様が無い事と、背ビレが黒い線でつながっている事です。
ミスジリュウキュウスズメダイは英名で「ホワイトテイル(白い尾の)ダスキルス(スズメダイ)」と呼ばれ、この魚の大きな特徴として知られています。
ミスジスズメダイとの見分け方
ミスジリュウキュウスズメダイと姿がよく似ている「ミスジスズメダイ」という魚も存在しています。
こちらは名前も似ていますが属するグループが違うルリスズメダイ属の海水魚です。
見分け方は、体の側面を走る縦3本の縞模様が背ビレでつながらず、背ビレに白い部分がハッキリと有る事と、腹ビレ・臀ビレが白い事です。
そして枝状サンゴの近くではなく岩の側に・大きな群れではなく数匹でいる事が多いです。
この2種もとてもよく似ていますがじっくり観察すると見分けが付きます。
まとめ
ミスジリュウキュウスズメダイはモノトーンのストライプ模様がとてもポップでキュートな印象の海水魚です。
基本的に体が丈夫で水温や水質の変化にもある程度耐えられる為飼育が容易な事で知られています。
サンゴのポリプを食べないのでサンゴとの混泳が可能な海水魚としても人気が高い種類です。
家庭で海水魚飼育に初挑戦する時に候補に挙がるビギナーにも優しいお魚と言えます。
その他にそっくりな仲間達が居たり可愛らしい見た目とは違い、気が強く果敢に子育てしたりとミスジリュウキュウスズメダイの小さな体には沢山の魅力がギュッと詰まっています。