カ行 スズキ目 ベラ科

カンムリベラ ~特徴や生態について

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カンムリベラの基本情報

カンムリベラ

学名 Coris aygula
英名 Clown coris
分類 スズキ目ベラ科カンムリベラ属
分布・生息域 相模湾以南、西・中部太平洋、インド洋、紅海
大きさ 1m程

 

カンムリベラはスズキ目ベラ科の大型海水魚です。

名前に付いている「カンムリ」は尾びれの形状がギザギザと深い切れ込みが入っていて、王冠のように見えることからこの名が付いたと言われています。

西太平洋~中部太平洋・紅海(アラビア半島とアフリカ東北部の間に有る湾)等広く分布していて、日本では相模湾から南の温かい海域に生息しています。

 

生態

カンムリベラ

水深2m~30mの岩礁・サンゴ礁・砂礫底(砂や小石が有る海の底)を住処にしていて、幼魚は磯の潮溜まり等で見掛ける事も有ります。

肉食性でエビ蟹等の甲殻類・イカタコなどの頭足類・貝・ウニ等を捕食します。

夜間や危険が迫ってくると砂に潜り身を隠す行動をとる場合もあります。

 

特徴

カンムリベラ

カンムリベラは、幼魚時代と成魚の姿がガラリと変化することで有名な魚です。

大きく成長した成魚の体長は約1m程で、体は長い楕円形でやや平べったいです。

老成したオスのカンムリベラは、おでこが立派に発達しコブ状になります。

世界中で30種ほどのカンムリべラ属の魚が存在しますが、本種がその中で一番大型に育つと言われています。

 

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幼魚は工芸品のような美しさ

カンムリベラの幼魚の姿は、特にユニークで美しくダイバー達に人気の海水魚です。

幼魚時代は、身体の中央から尾びれにかけてはベースが白く、頭部側には白地に黒のドット模様を有しています。

背びれ付近の背中には、目玉のような黒い斑点が2つと、その真下には鮮やかなオレンジの半円が太い縁取りのように付いています。

背びれにも、白地に細かな黒いドットが付いていてそのポップでアーティスティックな姿は、まるでベネチアングラスで表現したフィギュアのような美しい姿をしています。

 

また、その可愛らしい姿から、観賞魚としても海水魚飼育をする愛好家から大変人気の高い魚で、海水魚を扱うお店でも5cm程の大きさの幼魚を売っているのを見かけます。

幼魚の飼育は比較的簡単で、飼育する際は隠れられる砂を底に敷きます。

この魚が1m程に大きく成長することを忘れずに、大きな水槽の準備をしておきましょう。

 

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大人になるといぶし銀の魅力

成長過程で大きな黒い眼玉模様やオレンジが消えて頭部のドット模様と尾びれ側の色が白からグレーへと変化します。

更に大人になると全体的に青緑を帯びた暗いグレーになり身体の中央部分にくっきりとターコイズブルーの帯模様が浮かび上がります。

成熟した個体の姿はとてもシックで落ち着いた印象を与えます。

 

老成したオスの個体の額のコブは大型海水魚ならではのどっしりとした風格が有ります。

幼魚時代~青年期そして成熟した大人の魚の姿へと凄まじい変貌を遂げる魅力的なお魚です。

 

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カンムリベラって美味しいの?

成魚のボディーカラーは、いかにも食べてはいけないようなブルーグリーン系の灰色をしている魚なので一見不味そうに見えてしまいますが
、獲れる地域ではよく食用されるお魚です。

白身の淡白で上品なお味で身に水分が多いので、昆布締めにして刺身で食べたり、特に焼き物やフライ・ソテー等が美味しいです。

煮魚や汁物は臭いがキツくなるので、醤油味が濃いめの甘辛い煮つけや、臭みを消す効果のある味噌を入れた味噌汁等が美味しいです。

 

カンムリベラを食するときの注意点としては、内臓を傷つけてはいけない事です。

ぬめりが強いので、まな板にぬめりが付かない様、まずは新聞紙を敷いて大まかに捌く事等が大切です。

内臓周辺には、毒を持つ個体も有るそうなので、お腹近くの身は食さない方が良いかもしれませんね。

 

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まとめ

カンムリベラは、スズキ目ベラ科の大型海水魚です。

幼魚時代の可愛らしい姿から、老成期の貫禄ある姿まで想像もできない程、イメージチェンジを果たしてしまうカンムリベラですが、しっかり下処理を施した物はとても美味しいと評判です。

漁獲される地域の市場では安価で出回る魚なので一度は食べてみたいお魚ですね。

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