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モモイロサンゴ ~特徴や生態について 

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皆さんはモモイロサンゴという生物をご存知でしょうか?

サンゴと聞くと、明るい海に色彩豊かな熱帯の魚たちが泳ぐサンゴ礁を思い浮かべる方が多いかも知れません。

しかし、そういった造礁サンゴとは異なり、モモイロサンゴは光の届かない深海に生息する、宝石サンゴの一種です。

骨格がとても硬いことから宝飾品として加工される宝石サンゴ。

今回は、そんなモモイロサンゴの特徴や生態についてご紹介いたします。

 

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モモイロサンゴの基本情報

モモイロサンゴ

学名 Pleurocorallium elatius
英名 Precious coral
分類 ヤギ目サンゴ科
分布・生息域 紀伊半島以南、太平洋北西部
大きさ 1m程

 

分類

モモイロサンゴ(Coralliun elatius)は花虫綱ヤギ目サンゴ科Corallium属に属する海洋生物です。

Corallium属や近縁のParacorallium属は、深い海に生息していて、扇状に枝分かれする樹状の群体を形成するのが特徴のサンゴの仲間で、緻密な骨軸がとても硬いことで知られます。

 

一般に宝石サンゴと呼ばれるグループで、モモイロサンゴの他にアカサンゴやシロサンゴなど、これまでに8種が知られています。

高知大学が実施した宝石サンゴ類のミトコンドリア遺伝子の塩基配列解析結果によれば、モモイロサンゴは系統上シロサンゴと近い関係にあることが分かりました。

 

形態と特徴

モモイロサンゴ

モモイロサンゴの群体は高さ、幅共に1mに達することがあり、宝石サンゴ類では最大の種となります。

根部における骨軸の直径も6cmを超えることがあります。

樹状に発達するモモイロサンゴの群体は一平面状に密に枝分かれしていて、小枝はやや長めです。

 

モモイロサンゴの表面の共肉は桃色で、中の骨軸も同じく桃色となるものの、枝の先端部は白っぽくなります。

大型種ということもあり、共肉には厚みがあります。

 

生態

モモイロサンゴは太平洋北西部の、日本列島から台湾、フィリピンにかけての熱帯・亜熱帯海域に分布しています。

国内では紀伊半島沖、高知県沖、五島列島、小笠原諸島、琉球列島から知られています。

 

生息水深は200~300mと他の宝石サンゴ類に比べても深く、岩礁に生息します。

特に潮通しのいい崖のようになった場所への固着を好み、ポリプにある触手を広げて海中を漂う動物プランクトンを捕食します。

 

宝石サンゴ類の繁殖については深海にあって観察困難であるため、まだ未解明の部分が多いのですが、雌雄異体で、幼生ではなく卵や精子を海中に放出することが分かっています。

 

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美しいモモイロサンゴ、観たい時は?

モモイロサンゴは宝飾品に加工される宝石サンゴの仲間で、表面の共肉を取り去って骨軸を磨き上げることで、名前の通りの美しい桃色となります。

宝石サンゴの中では最も品質が高く、高値がつけられており、貴重サンゴと呼ばれて珍重される種類です。

 

 

 

生態がよく分かっていないこともあり、水族館で宝石サンゴ類が飼育されることはあまりありません。

日本動物園水族館協会のデータベースによると2018年時点で、モモイロサンゴを飼育しているのは国内では沖縄美ら海水族館1ヶ所のみです。

沖縄美ら海水族館では深海への旅エリアで、モモイロサンゴの展示が行われています。

 

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最後に

モモイロサンゴを筆頭とした宝石サンゴ類は、深海に成育しており、光に満ちた浅い海で色とりどりの熱帯魚に囲まれた造礁サンゴ類に比べると海洋生物としての馴染みは薄いですが、宝飾品としては私たちが身につけることがある、とても近しい存在と言えるでしょう。

しかし、近年はその宝飾品として優れていることにより、乱獲が問題視されていて、ワシントン条約による商取引の規制対象にも挙げられています。

特に宝石サンゴとして最も珍重されるモモイロサンゴにとっては深刻な問題であり、私たちも状況を見守っていく必要があるでしょう。

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