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カタクチイワシ ~特徴や生態について

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皆さんはカタクチイワシという魚をご存知でしょうか?

カタクチイワシは日本でとても漁獲量の多い魚で、様々な料理や食品の原材料に用いられている魚です。

日本人の食卓にとても身近なこのカタクチイワシは、人だけでなく海に暮らす多くの生きものにとっても重要な食糧となっています。

今回は、そんなカタクチイワシの特徴や生態についてご紹介いたします。

 

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カタクチイワシの基本情報

カタクチイワシ

学名 Engraulis japonicus
英名 Japanese anchovy
分類 ニシン目カタクチイワシ科カタクチイワシ属
分布・生息域 ほぼ全国 / 西部太平洋
大きさ 14~18cm

 

分類

カタクチイワシ(Engraulis japonicus)はニシン目カタクチイワシ科カタクチイワシ属に属する海水魚です。

ニシン目は世界中の海のみならず淡水域にも生息するグループで、大半が小型の魚で大きな群れを作る種が多いのが特徴。

 

その個体数の多さから海の食物連鎖において需要な地位を占めると共に漁獲量も多い、水産上重要な種を多く含みます。

その中でカタクチイワシ科はおよそ150種からなり、純淡水魚と化した種や、汽水域に生息するエツのように様々な形態の種を含みますが、カタクチイワシ属の9種はそれぞれの分布域の沿岸部から沖合の表層で大群をなしており、いずれも現地で重要な水産資源として扱われています。

 

特徴

カタクチイワシ

カタクチイワシの体長は14~18cmとなります。

体型は細長い円筒形で、目が頭部の前方に寄り、下側に位置する口が大きく開くのが特徴。

カタクチイワシの和名も、口が頭の片側に寄っていることに由来したものです。

 

また、背鰭は体のほぼ中央部にあり、腹部には稜鱗がありません。

鱗は円鱗と呼ばれる円形をしたものですが、とても剥がれやすく、水揚げされた時には失われていることがほとんどです。

 

カタクチイワシの体色は、背部が青みを帯びた灰色で、腹部が白っぽくなります。

 

生態

カタクチイワシは西部太平洋の亜熱帯海域から温帯海域、亜寒帯海域にかけて分布している魚で、北は樺太南部から日本列島の太平洋側と日本海側の両沿岸にかけて、南は台湾から南シナ海の沿岸にかけて知られています。

フィリピンのルソン島やミンダナオ島の西部、インドネシアのスラウェシ島などでも記録はありますが、これらの海域では稀です。

日本国内においては琉球列島や小笠原諸島を除いたほぼ全国の沿岸で見られます。

 

カタクチイワシは水深400mの深海でも記録がありますが、通常は沿岸から沖合にかけての水深5~10mの表層部に生息しています。

大きな群れを作る魚で、遊泳しながら大きく口を開き、餌となる動物プランクトンや植物プランクトン、魚卵などを吸い込んでしまいます。

吸い込んだ餌は鰓の鰓耙を使って漉し取っており、実はヒゲクジラ類やジンベエザメと同じ濾過摂食を行う生物です。

 

一方で小さく弱い魚であるために、カタクチイワシを餌とする天敵は非常に多く、イルカなどの海生哺乳類、カモメ類やカツオドリ類などの海鳥、サメ類や、カツオなどの大型肉食魚など多岐に渡ります。

大量に漁獲を行う人間もカタクチイワシにとっては天敵の一つと言えるでしょう。

 

これら様々な生物の餌となることで、カタクチイワシは海の食物連鎖においても大きな地位を占めています。

カタクチイワシが密集隊形で大きな群れを作り、群れの構成個体全てが同調しながら同じ向きへ泳ぐのは、これら天敵からの攻撃を躱すためです。

うっかり群れから離れてしまった個体は多くの場合、天敵に捕食されてしまいます。

 

カタクチイワシの産卵は一年を通して行われますが、春と秋に多く見られます。

卵は楕円形をした分離浮性卵で、孵化した稚魚の成長は早く、1年未満で成熟します。

寿命は2~3年とされています。

 

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人との関わり

カタクチイワシの群

カタクチイワシは非常に漁獲量の多い魚で、水産上非常に重要な食用魚となっています。

各地の沿岸で定置網や地引網、巻き網などで群れごと獲られており、市場にも大量に流通しています。

 

新鮮なものは刺身や天ぷら、酢の物など様々な料理に用いられますが、カタクチイワシに限らずイワシの仲間は鮮度が落ちるのが早いため、大半が煮干しなどの加工品にされます。

特に幼魚はシラスと呼ばれており、ちりめんじゃこの原料としても有名です。

三枚に下して塩漬けに加工されたアンチョビも有名ですが、海外からの輸入品であった場合、使われているのはカタクチイワシではなく、同じカタクチイワシ属の別種となります。

かつては漁獲量の多さから、農業用の肥料としても多く用いられていましたが、近年の漁獲量減少から以前ほどは使われなくなってきています。

 

カタクチイワシは水族館で飼育展示されることもあり、日本動物園水族館協会のデータベースによると2018年時点で、長崎ペンギン水族館、海遊館、八景島シーパラダイス、アクアマリンふくしまなど、全国の8ヶ所の水族館で飼育されています。

大群の一糸乱れぬ動きを見せるため、大型のサメ類などの捕食者と同じ水槽で飼育されることが多くなっています。

 

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まとめ

カタクチイワシは日本人の食卓にとても身近な魚で、全国各地にヒシコ、タヅクリ、ゴマメ、セグロイワシなど様々な地方名が存在しています。

まさに日本の食文化にとって欠かすことのできない魚と言えるでしょう。

しかし、食卓で目にする機会は多くとも、その生きている姿を観察したことのある人はあまり多くないのではないでしょうか?

カタクチイワシを展示する水族館は全国で増えつつあるため、一度足を運んで、その小さい体ながら力強く生きるさまをご覧になってみてはいかがでしょうか?

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