カ行 フグ目 モンガラカワハギ科

クマドリ ~特徴や生態について

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皆さんはクマドリと聞いて何を思い浮かべるでしょうか?

歌舞伎の化粧法として知っている人もいれば、日本画の技法の一つと答える人もいるでしょう。

あるいは有名漫画に登場するキャラクターの名前を連想する人もいるかも知れません。

しかし、ここで紹介するクマドリとは魚の名前です。

決して珍しい魚ではないのですが、恐らく大半の日本人には馴染みの薄い魚ではないでしょうか?

今回は、クマドリの特徴や生態についてご紹介させていただきます。

 

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クマドリの基本情報

クマドリ

学名 Balistapus undulatus
英名 Orange-lined triggerfish
分類 フグ目モンガラカワハギ科クマドリ属
分布・生息域 紀伊半島以南、インド洋、西太平洋の熱帯海域
大きさ 30cm程

 

分類

クマドリ(Balistapus undulatus)は、フグ目モンガラカワハギ科クマドリ属に属する海水魚です。

モンガラカワハギ科は、世界中の主に熱帯海域のサンゴ礁などに生息するフグの仲間で、鮮やかな色彩を持つ種類が多くいることでも知られています。

これまでにおよそ40種が記載されており、科の名前にもなった代表種のモンガラカワハギや、クマドリを含むおよそ半数の種に和名が与えられています。

その中でもクマドリは1種のみでクマドリ属を構成します。

 

特徴

クマドリは他のモンガラカワハギ科の魚と同様に平たく側扁し、体高の高い魚です。

尾鰭の付け根には棘があり、体長は30cm程度。

 

体色は暗い灰みの黄緑色で、体側面に赤みの強い橙色の斜帯がたくさん走っていて、とてもカラフルな外見となっています。

この模様が、歌舞伎役者が顔に赤や青で筋を描いて、筋肉や血管を誇張する化粧法である「隈取(くまどり)」に似ていることが、そのまま和名の由来となりました。

また、クマドリの尾鰭の付け根の棘の周りには黒い斑がありますが、インド洋の個体群では黒い斑が小さくなるという形態上の違いが見られます。

 

生態

クマドリ

クマドリはインド洋と西部太平洋の熱帯海域に広く分布しており、西は紅海から南アフリカ、東は日本近海からオーストラリアのグレートバリアリーフ、ニューカレドニアまでの範囲で記録があります。

国内では主に紀伊半島以南で知られ、浅い海のサンゴ礁に生息します。

これらの海域のサンゴ礁では、比較的よく見つかる普通種となっています。

 

餌はサンゴ礁に棲むハゼ類のような小型の魚類、小さなエビやカニのような甲殻類、貝のような軟体動物、ウニのような棘皮動物、海綿やヒドロ虫、果ては藻類やサンゴそのものまでいろんなものを食べてしまいます。

たとえ貝殻を持つ貝や棘を生やしたウニであろうと、クマドリは鋭く丈夫な歯を持つため平気で噛み砕いてしまいます。

 

クマドリの繁殖についてはよく分かっていないようですが、一般的にモンガラカワハギ科の魚は、砂地の海底にすり鉢状の巣を作って大量の卵を産みつけ、孵化するまでの間は親魚が外敵から卵を守るという習性が知られています。

 

また、これもモンガラカワハギ科の魚全般に共通することですが、クマドリの性格はかなり荒く、他の魚に対して攻撃的な行動に出ることがあります。

 

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クマドリと人間

クマドリは、日本では釣りの外道として扱われていて、一般的に食用とすることはありませんが、海外の熱帯地域では食用魚として普通に食べられています。

またその派手な色彩から、サンゴ礁のダイビングスポットではダイバーに人気があり、観賞魚として水族館だけでなく個人でも飼育する人がいます。

ただし、気性の荒さから、他の種類の魚との混泳には慎重な対応が求められます。

 

クマドリの姿を見たい場合、水族館に行くのが一番簡単でしょう。

日本動物園水族館協会のデータベースによると、2018年現在で城崎マリンワールド、名古屋港水族館、鴨川シーワールドなど全国の7ヶ所の水族館でクマドリが飼育されています。

 

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クマドリは通販で買える?

クマドリは通信販売で購入することも可能です。

在庫状況は変動しますので、下記のバナーからそれぞれの検索結果をチェックしてみてください。

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まとめ

クマドリは、フグ目モンガラカワハギ科クマドリ属に属する海水魚です。

歌舞伎役者の化粧法から名前が取られたユニークでカラフルな魚クマドリ。

日本人には馴染みが薄く、食卓に上がる機会もほとんどないかも知れませんが、色とりどりの魚たちが群れ泳ぐサンゴ礁ではよく見られる魚です。

その色鮮やかな姿を、一度水族館などでご覧になってみてはいかがでしょうか。

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