今回は、シチセンスズメダイの生態や特徴についてご紹介させていただきます。
シチセンスズメダイの基本情報
学名 | Abudefduf septemfasciatus |
英名 | Banded sergeant |
分類 | スズキ目スズメダイ科オヤビッチャ属 |
分布・生息域 | 千葉県以南、インド洋、中西部太平洋 |
大きさ | 20cm程 |
シチセンスズメダイはスズメダイの仲間ですが、実は鯛の仲間(タイ科)ではありません。
大きく分けると「スズキ目」で鯛とは近いグループですが、スズキ目は10000種類以上の種類があります。
日本では昔から、鯛に似た外見(体が扁平な魚や赤い魚)を●●タイと称してきたのです。
生息域
インド洋から中央太平洋の暖かい海、サンゴ礁や岩礁の水深3m前後とごく浅い所に生息しています。
国内では千葉県以南で見ることが出来ます。
特に幼魚は潮溜まりにも多く、時に群れで泳いでいる姿も見かけられます。
が、この時実は別種の魚(シマスズメダイやロクセンスズメダイ)と一緒にいることもあるため、見分けるのには注意が必要です。
シマスズメダイは背びれの斑点が縞模様の3本目と4本目の上部にありますが、シチセンスズメダイでは2本目と3本目の上部にあり、ここが見分けるポイントです。
とはいえ、泳いでいる最中に見分けるのは難しいと思いますが、チャンスがあれば挑戦してみてください。
名前の由来
先に挙げたシマスズメダイは5本の縦縞模様が、ロクセンスズメダイには6本の縦縞模様があります。
ではシチセンスズメダイは?もちろん7本です。
シチセン=7線、というわけです。
しかしここで注意してほしいのは、大きくなると頭に近い部分の線が薄くなり、見えづらくなってくる個体がいるということです。
そんなときは縞模様の間隔を見てみてください。
当然、数の多い方が縞と縞の間隔が狭くなっています。
生態
スズメダイの仲間は群れを作りますが、可愛らしい見かけに反してかなり気性が荒く、特に繁殖期にはダイバーが襲われることもあるほどです。
シチセンスズメダイもその一種ですが、やや大人しい方だとも言われています。
基本的に雑食で、岩や防波堤に生えた藻や動物プランクトンを食べて生きています。
繁殖期は夏で、岩の上などに産卵します。
生まれた卵を守るのはオスの役目で、水を送ったり、敵を追い払ったり(この時にダイバーに襲いかかります)、ゴミをよけたりと甲斐甲斐しく世話をしています。
今流行りのイクメンな魚なのです。
食べられる?
シチセンスズメダイも食べることが出来ます。
大きめの成魚などは塩焼き、もしくは唐揚げにされます。
しかし、スズキの仲間なので食べられないわけではないのですが、小骨が多く、平たい形をしていて食べられる部分が少ないので、好んで食用にはされません。
同じスズメダイの仲間では、福岡県で「あぶってかも」というこれまた不思議な名前の郷土料理にされます。
炙って噛もう、が語源とも言われており、こちらは12cm前後の小さなものをよく焼き、丸ごと噛みしめて食べます。