今回は、ゴマアイゴの特徴や生態、毒性や刺されたときの対処法についてご紹介させていただきます。
ゴマアイゴの基本情報
学名 | Siganus guttatus |
英名 | Goldlined spinefoot / Orange-spotted spinefoot |
分類 | スズキ目ニザダイ亜目アイゴ科アイゴ属 |
分布・生息域 | 和歌山以南 / 西太平洋、東インド洋 |
大きさ | 25cm~35cm程 |
ゴマアイゴは、スズキ目・ニザダイ亜目・アイゴ科に属する海水魚です。
ゴマアイゴは釣り上げる時の引きが強い魚で釣り人からも人気の有る種類です。
同じ仲間のアイゴ科の魚の中では大型で美味しい魚として知られています。
追い込み漁・刺し網漁・定置網漁・釣り等で漁獲されています。
沖縄では「カーエー」と呼ばれ高級魚として市場等で見掛ける事が出来ます。
ゴマアイゴは珊瑚海(オーストラリア北東海岸縁海)等の西太平洋~インドネシア南岸等の東インド洋までの熱帯温帯海域に分布していて、日本では和歌山より南・鹿児島・琉球列島等温かい海域に生息しています。
生態
沿岸や内湾のサンゴ礁・岩礁・等で10匹~15匹程のグループを作り生活しています。
夜行性で主に藻類・エビ蟹等の甲殻類を捕食する雑食性のお魚です。
幼魚はマングローブ・海藻等が茂っている汽水域(淡水と海水が入り混じる場所)でも見かけることが有ります。
ゴマアイゴの繁殖期は4月~10月で、満月の夜に沈性粘着卵(周りにねばねばとした物質が付いていて海底等に沈むタイプの卵)を産卵します。
身体的特徴
ゴマアイゴの成魚は通常体長25cm~35cmですが、大きい物だと40cm以上になる事も有ります。
体型は楕円を長くしたような形で体の厚みが平べったく尾ビレの根元はとても細いです。
口は小さめで上唇がぽってりとしていて可愛らしい顔をしています。
ゴマアイゴも他のアイゴの仲間と同様にヒレに強い毒を持つ棘が有ります。
体色は基本的に青みを帯びたシルバーですが、背中側はその青みが暗くお腹にかけてグラデーションになっています。
その上にオレンジ色~黄色のドット模様が背中から胸ビレの根元まで覆っています。
このゴマを散らしたような小さなドット模様から和名「ゴマアイゴ」と付けられたと言われています。
そして尾ビレの根元付近に金貨の様な黄色く丸い模様が一つ付いています。
頭部にもオレンジのドット模様や細いボーダーが混在しています。
英名では「オレンジスポテッド(オレンジ色の斑点の)スパイン(棘)フット(足)」で、スパインフットは他のアイゴの仲間にも付いているのでオレンジの斑点が名前の由来になっています。
ブチアイゴとの違い
ゴマアイゴにはよく似たお仲間「ブチアイゴ」が居ます。
体型や色合いが似ていますが、ゴマアイゴの尾ビレの近くに有る黄色いコインの様な斑点が無く、その代わりにブチアイゴには目の斜め上・鰓蓋の近くに黒いコイン大の斑点が有ります。
もし刺されたら?
ゴマアイゴの棘の毒は刺されると命の危険はないけれど数時間痛みが持続するとても厄介な物です。
アイゴ類の毒素はタンパク毒です。
タンパク毒は40℃~60℃で不活性化すると言われています。
もし刺されたときは、
1患部を流水で洗い毒素を流します。
2火傷しない程度のなるべく熱いお湯に患部をつけます。
お湯が無い場合はホットタオル・自販機の温かい飲み物の缶を当てるだけでも痛みが和らぎます。
患部を温める事で痛みが軽減出来ますので冷やすのは逆効果です。
くれぐれも火傷に注意して行ってください。
それでも痛みが引かない場合は直ぐに病院へ行きましょう。
まとめ
ゴマアイゴは、スズキ目・ニザダイ亜目・アイゴ科に属する海水魚です。
きれいなオレンジのドット模様と尾ビレの近くのコイン模様がチャームポイントのゴマアイゴは、釣り愛好家の方達からも沖縄の方達からも親しまれている海水魚です。
トゲトゲの毒が少々危険で面倒くさいですが、沖縄では数あるアイゴ類の魚の中で良い値段で取引され高級魚として扱われています。
ゴマアイゴは、アイゴ類独特の磯臭さやアンモニア臭が少なく上品な甘みを持った白身で、お造りにしても沖縄の伝統料理マース煮にしても美味しいと評判のお魚です。