海の中には数多くの種類のクラゲが生息しています。
その美しい見た目とは裏腹に猛毒を持っているもの、はたまた全く無毒のクラゲも存在します。
今回はその中でも、アカクラゲの大きさや特徴、毒性についてご紹介したいと思います。
目次
アカクラゲの基本情報
学名 | Chrysaora pacifica |
英名 | Japanese sea nettle |
分類 | 旗口クラゲ目オキクラゲ科ヤナギクラゲ属 |
分布・生息域 | 北海道以南 |
大きさ | 傘直径10~15cm、触手1~2m |
アカクラゲは、鉢虫綱旗口クラゲ目オキクラゲ科ヤナギクラゲ属に属するクラゲです。
その名前のように、傘は赤っぽい色(赤褐色)をしていて16本の放射状の縞模様があります。
生息域
アカクラゲは日本の沿岸では各地で発見することができます。
関東方面では4月から5月ほど、東北方面では7月から9月にかけて目撃することが可能です。
海水浴場などでも見かけることが多く、身近なクラゲなのですがアカクラゲには猛毒があるためとても注意が必要です!
身近に潜んでいて猛毒があるクラゲというのは考えるだけでもとても恐ろしいですよね。
そんなアカクラゲにはどのような特徴があるのでしょうか?
大きさ、見た目の特徴
鮮やかな色、カラフルな生き物や植物は、毒を持っていることが自然界ではとても多いことですが、またこのアカクラゲも見た目がとても鮮やかで傘に赤い模様が入っており、鮮やかな反面とても強い毒性を持ちます。
自ら猛毒を持っていることをアピールしているかのごとく、とても長い触手をぶらっとぶら下げフワリフワリと水中を泳ぎます。
傘の直径は10~15cm、触手の長さは1m以上あり、長いものでは2m位になります。
小さなお子様などがその見た目に興味を惹かれ触れてしまうと、とても危険なのでアカクラゲに対してより注意が必要ではないでしょうか。
アカクラゲの独特の模様は何なのか?
アカクラゲが水中を泳いでいると稚魚がアカクラゲの周りに群れていることがあります。
一つの説として言われていることがアカクラゲは赤い線のような模様がてっぺん付近から放射上に広がるような見た目で、この模様が稚魚を誘い出しているのではないかという説です。
しかし、稚魚を誘い出し稚魚を捕食しているのか稚魚が安全から身を守るためにアカクラゲの模様を目印にしているのかははっきりと答えがでていないため、アカクラゲの独特の模様にどのような効力があるのかはわかっていないようです。
まだ生態が完全に把握されていないアカクラゲ、調べれば調べるほどもっと面白い生態がわかるのではないかと思います。
アカクラゲの毒性
アカクラゲ触手の部分には無数の刺胞というものがたくさんついており、その中に毒液がついている針が存在します。
普段アカクラゲはこの毒を使い子魚などを捕食するのですが、人間が誤りその触手に触れてしまうことでもその強力な毒の被害をたちまち受けてしまうのです。
アカクラゲに刺されたからといって必ずしも激痛が走るわけではなく、知らずに海水浴をしていて毒に侵されているということも多いのです。
クラゲが海水浴場に発生しているとの情報を聞いたら、海の中には入らないということが賢明ではないでしょうか?
実際にアカクラゲに刺されるとどうなるのか?
まずアカクラゲに刺されてしまうと、刺された患部が非常に強く痛み始めます。
やけどをしたときのように水ぶくれが起きたり、ミミズ腫れになってしまい激痛が走ります。
しかし、痛みや患部の腫れ、かゆみは続くものの、1週間から2週間ほどたてば完治に至ることが多いです。
また、アカクラゲの持つ毒で本当に怖いところは、一度刺されてしまったことのある人がもう一度刺されてしまうと、アナフィラキーショックというとても重く危険なアレルギー症状になる可能性があることです。
アナフィラキーショックを起こすと、呼吸困難や意識障害など、命にかかわるとても危険な状態になってしまうこともありえます。
アカクラゲの死骸にも毒がある?
アカクラゲは大量に発生したあと海岸に打ち上げられていることがありますが、アカクラゲは死んでからもなお、死骸に毒があり興味本位で触ることはとても危険です。
クラゲに限らず、自然界の生き物はどんな生物が毒を持っていて危険なのかということは素人には判断がとても難しいです。
むやみに触るなどはせずにそっとしておくことが身を守るためには大事かもしれません。
まとめ
クラゲはゆったりと泳ぎ、見ていると心を癒されるような気分になりとても興味深い生き物で魅力も多いのですが、中にはとても強い毒を持つ種類もいるので注意が必要です。
アカクラゲは毒があり、日本各地の沿岸に生息している身近なクラゲです。
近頃では海水浴場にクラゲ侵入しないようネットがあったり工夫もされているため安全性は高まっていますが、自分自身が気をつける意識を持つことが大切ではないでしょうか。