今回は、ロクセンスズメダイの生態や特徴、名前の由来、オヤビッチャとの見分け方についてご紹介させていただきます。
目次
ロクセンスズメダイの基本情報
学名 | Abudefduf sexfasciatus |
英名 | Scissortail sergeant |
分類 | スズキ目スズメダイ科オヤビッチャ属 |
分布・生息域 | 神奈川県以南、西部太平洋、インド洋、紅海 |
大きさ | 10cm程 |
スズキ目スズメダイ科に属する海水魚です。
沖縄等の温かい海では、群れを作り泳ぎ回っている姿をよく見かけ、ダイバーが餌付けするとすぐさま人のそばに寄って来る、物おじしない性質を持っています。
ロクセンスズメダイには「シザーテイルサージェント」という英名が付けられています。
直訳するとハサミの尾を持つ軍曹となります。
これは尾ビレの形と黒いストライプ模様が上位の軍人が付ける記章(バッジ・ワッペン等)に似ている事から名付けられました。
懸命に卵を守るロクセンスズメダイにふさわしいカッコイイお名前だと思いませんか?
ロクセンスズメダイが生息する海域
太平洋の西部~インド洋・紅海(アフリカ東北部とアラビア半島の間に有る湾)等、熱帯~亜熱帯の海域に広く分布します。
日本では伊豆諸島・神奈川県沿岸から南の海・琉球列島・小笠原諸島等温かい海に生息しています。
ロクセンスズメダイの生態
水深1m~20m位までの浅いサンゴ礁や岩礁域に群れを作り生活をしています。
幼魚時代は同じオヤビッチャ属の仲間のオヤビッチャと共同で群れを作ることも有ります。
雑食性で動物性プランクトンや小さなエビ蟹等の甲殻類・藻類などを捕食します。
繁殖期になると多くのロクセンスズメダイが一斉に求愛と産卵をします。
ロクセンスズメダイのオスは産卵床(卵を産み付ける場所)を岩礁の隙間や窪み等に作ります。
匹のオスに対し10数匹の複数のメスが群がり産卵していきます。
産卵床にびっしりと産み付けられた卵はアメシストのような美しい紫色をしています。
その卵をオスは他の魚などの外敵に捕食されないよう孵化するまで懸命に守ります。
ロクセンスズメダイの身体的特徴
成魚の大きさは体長約10cm程で体は平べったく体高が高いです。
吻(ふん・口の周りの出ている部分)は短く出ていてやや上向きについた口も小さいです。
尾びれの切れ込みが深くてシャープです。
体色は背中にかけて淡いシルバーブルーでお腹にかけて白っぽい銀色をしています。
その上に黒く太めのストライプが5本くっきりと入ります。
名前の由来
名前は6線なのに、1本足りないし尾びれの2本を加えると7本になってしまうのでどうしてだろう?と思うかもしれません。
それは、目にかかる薄い黒線も数えるので名前の由来となった6線になるみたいです。
オヤビッチャとの見分け方
ロクセンスズメダイにはとても良く似た近縁種の「オヤビッチャ」と言う仲間が存在しています。
そしてこの2種は共同で群れを作り泳いでいることが有るので更に分かりにくいのです。
見分け方としては、尾びれの黒い模様がくっきりと2本付いているのがロクセンスズメダイで模様が無いのがオヤビッチャです。
オヤビッチャの体色は背中が黄色なのですが、ロクセンスズメダイの婚姻色も黄色になる場合が有るので一概に体の色だけで判断することは難しいです。
観賞魚としても
ロクセンスズメダイは食欲旺盛で餌付けしやすい為飼育が比較的容易な海水魚です。
病気に掛かりにくく体が丈夫な事から、水族館での展示飼育や家庭でも飼える観賞魚としても人気のお魚です。
仲間のオヤビッチャと比べて性格が温和と言われていますが気の強い個体もいます。
同種の幼魚を複数水槽に入れ群れで飼うのも美しいです。
3cm~5cm程の幼魚は300円程から海水魚専門店で売られています。
まとめ
ロクセンスズメダイは美しいメタリックカラーの体色とくっきりとした黒のストライプが美しい海水魚です。
比較的浅い海で群れて泳ぐ姿を見られるので、シュノーケリングでも人気の有る可愛らしいお魚です。
ロクセンスズメダイのオスは10cm程の小さな体で卵からかえるまでの数日間、自分の子孫を守る事で知られています。
彼らのひたむきに育児する姿に心を打たれますね。