皆さんはアヤメエビスという魚をご存知でしょうか?
アヤメエビスは紅白のとても鮮やかで、いかにも縁起のよさそうな体色をした魚です。
今回は、そんなアヤメエビスの生態や特徴についてご紹介いたします。
アヤメエビスの基本情報
学名 | Sargocentron rubrum |
英名 | Redcoat |
分類 | キンメダイ目イットウダイ科イットウダイ属 |
分布・生息域 | 相模湾以南、インド洋、西部太平洋 |
大きさ | 25cm程 |
アヤメエビスは食用魚として一般に流通することは少ないですが、美味しい魚として知られていて、特に個体数の多い沖縄県では刺し網や釣りなどで漁獲されています。
良質の白身を持ち、刺身や煮つけ、塩焼きなどで食べられています。
分類
アヤメエビス(Sargocentron rubrum)はキンメダイ目イットウダイ科イットウダイ属に属する海水魚です。
キンメダイ目は世界中の熱帯海域からか熱帯海域にかけて140種余りが知られているグループで、食用魚として有名なキンメダイの他、生物発光を行う種類などもいて、その形態は多様性に富んでいます。
キンメダイ目には深海性の種類が少なくありませんが、全体のほぼ半数を占めるイットウダイ科は、大半の種が沿岸部のサンゴ礁や岩礁に生息しています。
特徴
アヤメエビスの体長は25cm程度で、最大で32cmの個体の記録があります。
体型はやや細長くて側扁していて、大きな目と小さな口が特徴。
主鰓蓋骨の後ろ側に2本、前鰓蓋骨の後下にも1本、それぞれ棘があります。
アヤメエビスの体色は赤色ですが、体側面には白色の細い縦帯が多く見られます。
この紅白の模様が、和名の由来です。
同属のイットウダイに一見するとよく似ていますが、アヤメエビスは背鰭と臀鰭の軟条部の基底に暗赤色の班があり、吻部の両側に水平な隆起があることで区別できます。
生態
アヤメエビスはインド洋から西部太平洋にかけて分布している魚で、西は紅海から東はトンガまで、北は南日本から南はニューカレドニアや、オーストラリア北部までで知られています。
最近は紅海からスエズ運河を通じて地中海東部に進出しており、移入種として問題視されています。
国内では相模湾以南の太平洋側や伊豆諸島、琉球列島で見られます。
アヤメエビスは水深1~84mの浅い海に生息しており、サンゴ礁や岩礁で小さな群れを作って暮らしています。
夜行性で昼間は岩陰や岩の割れ目などに隠れており、夜になると外に出て小さな魚や、エビやカニなどの甲殻類を捕食する肉食性の魚です。
観たい時は?
アヤメエビスは綺麗な赤い体色を持つことから観賞魚としても人気があり、アクアリストの間で飼育されています。
水族館でもアヤメエビスは飼育展示されることがあり、日本動物園水族館協会のデータベースによると2019年時点で、沖縄美ら海水族館、須磨海浜水族園、サンシャイン水族館、アクアマリンふくしまなど、全国の23ヶ所の水族館で飼育されています。
まとめ
アヤメエビスは、キンメダイ目イットウダイ科イットウダイ属に属する海水魚です。
紅白でとても美しい体色を持つアヤメエビス。
多くの水族館で飼育が行われています。
皆さんも水族館を訪れた際は、サンゴ礁の水槽を注意深く探してみましょう?
隠れんぼが好きなアヤメエビスが、岩陰に潜んでいるかも知れません。